銀心中』(しろがねしんじゅう)は、田宮虎彦の短編小説、およびそれを原作として1956年に日本で公開された映画。

田宮の「銀心中」は1952年2月「小説公園」が初出で、『異端の子 : 田宮虎彦小説集』(暮しの手帖社, 1953)に収録された。

ストーリー

佐喜枝と喜一は、夫婦で東京で理髪店を営んでいる。喜一の甥の珠太郎が、見習いとして一緒に働いている。戦争で喜一は召集され、フィリピンで戦死したという報が届く。戦後、佐喜枝と珠太郎は恋仲となり二人で理髪店を立て直す。だがある日、喜一が帰ってくる。珠太郎は東北の銀温泉へ行き、梅子という女にのめり込んで佐喜枝を忘れようとするが、佐喜枝は珠太郎を追ってくる。佐喜枝の宿主の源作は佐喜枝に同情し、佐喜枝が雪の中で死んだ時源作も上に折り重なって死んでいた。(映画版では源作の死は描かれず、佐喜枝と珠太郎が別々に死ぬことになる)

原作の冒頭に出てくる銀温泉の由来書きは、岩手県花巻の鉛温泉の由来書きをそのまま写したものである。

スタッフ

  • 監督・脚本:新藤兼人
  • 原作:田宮虎彦
  • 製作:山田典吾、糸屋寿雄
  • 撮影:伊藤武夫
  • 音楽:伊福部昭

キャスト

  • 佐喜枝、梅子:乙羽信子
  • 珠太郎:長門裕之
  • 喜一:宇野重吉
  • 源作:殿山泰司
  • 芳造:河野秋武
  • 芳造の子供:堀込さなえ
  • さく:利根はる恵
  • 信代:北林谷栄
  • おかみ:細川ちか子
  • 清水屋の女中:相馬幸子
  • 町内会長:下條正巳
  • 隣組長:久松晃
  • 栗本:菅井一郎
  • 栗本の女房:小夜福子
  • 見習いの少女:島田文子
  • 小僧:野口一雄
  • 職人:千代京二
  • 白猿旅館の下女:田中筆子
  • 白猿旅館の女中:若原初子
  • 伊東の店の主人:清水一郎
  • 伊東の店の職人:近藤宏
  • しろがねの警官:河上信夫
  • めしやの女:小田切みき
  • 栗本理髪店の客:浜村純
  • 喜一の店の客:下元勉
  • 職人風の客:安部徹
  • うどん屋の客:山田禅二、三鈴恵以子
  • 温泉旅館の女中:新井麗子

テレビドラマ

1962年版

1962年11月1日と11月8日の2回に渡って、日本テレビ系列の『武田ロマン劇場』(武田薬品工業一社提供。木曜20:45 - 21:30)で放送された。出演は小山明子、穂積隆信、川津祐介。演出は梅谷茂。

1970年版

1970年5月30日から同年6月13日まで、東京12チャンネル(現:テレビ東京)の『新藤兼人劇場』(土曜21:00 - 21:56)で放送された。全3回。

出演者

  • 太地喜和子
  • 河原崎長一郎
  • 殿山泰司
  • 河原崎建三

スタッフ

  • 原作:田宮虎彦
  • 脚本:新藤兼人
  • 演出:吉村公三郎

1975年版

参考文献

  • 『シナリオの構成』 雷鳥社、2007年
  • 『100歳の流儀』 PHP研究所、2012年

脚注


銀心中|Apple TV

銀心中 」 0・・映画toほげほげ

20151006

『田宮虎彦作品集第3巻』を読む 大井川通信

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