概要
「馬」字はウマ科の動物を意味し、その側面から見た形に象る。
ウマは中国において古くから飼育された家畜であり、六畜(馬・牛・羊・鶏・犬・豚)の一つに挙げられている。その用途は主に牽引であり、馬車や戦車のように人や物を運搬したり、農耕の用にも供された。後に騎馬民族が南下した南北朝時代頃になると、騎乗されるようにもなった。
偏旁の意符としてはウマやウマに似た動物に関することを示す。特徴的なのは形容詞が少ないことで、ウマに関する名詞やウマ自身の動作・ウマに対する人の動作などを示す動詞が多く、ウマが人間生活において交通の主役を担っていたことから、「駅」「駐」など交通に関する字も多く残る。
馬部はこのような意符を構成要素に持つ漢字を収める。
中国の簡体字では「马」の形になる。日本では手書き等においては略字として「馬」の「灬」の部分を横棒に替えた形が使用される事がある。
部首の通称
- 日本:うまへん
- 中国:馬字旁・馬字底
- 韓国:말마부(mal ma bu、ウマの馬部)
- 英米:Radical horse
部首字
馬
- 中古音
- 広韻 - 莫下切、馬韻、上声
- 詩韻 - 馬韻、上声
- 三十六字母 - 明母
- 現代音
- 普通話 - ピンイン:mǎ 注音:ㄇㄚˇ ウェード式:ma3
- 広東語 - Jyutping:maa5 イェール式:ma5
- 日本語 - 音:バ(漢音)・メ(呉音)・マ(唐音) 訓:うま
- 朝鮮語 - 音:마(ma) 訓:말(mal、ウマ)
例字
- 馬
- 2:馮・馭、3:馴・馳、4:駄、5:駐・駒・駕・駈・駝、6:駱、7:駿、8:騎、10:騰・騷(騒8)、12:驚・驅(駆4)・驍・驒、13:驛(駅4)・驗(験8)、16:驢、20:驫、24:䯂
最大画数
26:𩧥(驢の俗字)




