国鉄ヒ300形貨車(こくてつヒ300がたかしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が1949年(昭和24年)から製作した事業用貨車(控車)である。
概要
ヒ300形は、鉄道連絡船の航送用控車として1949年(昭和24年)から1966年(昭和41年)にかけて、ト20000形、ト1形、ワ1形、ワム3500形、ワ22000形を種車として37両(ヒ300 - ヒ317、ヒ324 - ヒ342)が製作された。またヒ500形より6両(ヒ540 - ヒ545初代)が1957年(昭和32年)に改番され本形式(ヒ318 - ヒ323)に編入された。改造は幡生工機部、多度津工場、五稜郭工機部、盛岡工機部の四か所にて行われた。
改造に際しては種車の上回りを撤去し、手摺を設置した。走行装置はシュー式である。
1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正では高速化不適格車とされて最高速度65 km/hの指定車となり、識別のため記号に「ロ」が追加され「ロヒ」となり黄1号の帯を巻いている。
老朽化により淘汰が進み、1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に際しては、2両(ヒ333, ヒ334)のみが日本貨物鉄道(JR貨物)へ継承された。2両とも幌内駅で使用されていたが、ヒ334が1991年(平成3年)に、ヒ333が1993年(平成5年)12月16日に廃車となり形式消滅した。
参考文献
- 岡田誠一『国鉄事業用車カタログ1980 Part2 電車・貨車編』(初版)イカロス出版〈Vol.21〉、2006年。
- 貨車技術発達史編纂委員会『日本の貨車-技術発達史-』(初版)日本鉄道車輌工業会、2008年3月1日。
- 吉岡心平『控車のすべて』(初版)ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 221〉、2018年1月1日。ISBN 978-4-7770-5420-6。
関連項目
- 国鉄の車両形式一覧
- JR貨物の車両形式



