弦楽四重奏曲第7番 ニ長調 D 94 は、フランツ・シューベルトが1814年に作曲した弦楽四重奏曲。

概要

シューベルトは1813年の秋にコンヴィクト(寄宿制神学校)を去ってから、兵役を逃れるために師範学校の予備科に通学しているが、1814年の秋に辞めた後、助教員の仕事をしながら生活をしていた。

本作は1814年末に作曲し、短期間のうちに完成された。完成された日付は判明していないが、シューベルトは同年12月10日に『交響曲第2番 変ロ長調』(D 125)を作曲し、その月の25日までに第1楽章を完成している。このことから見て、本作はおそらく12月10日以前に作曲を終わらせていたと考えられる。

曲の構成

全4楽章構成、演奏時間は約18分。本作は前作『第6番 ニ長調』(D 74)より進歩した筆致を見せている。しかし、和声法や主題の処理にはそうしたことが認められているものの、構成のバランスでは未熟なところが露呈している。特に第1楽章は他の楽章と比べてかなり長大であり、結尾においても充実を図ろうとしているが、結局は長大さに負けていることが窺える。

  • 第1楽章 アレグロ
    ニ長調、2分の2拍子(アラ・ブレーヴェ)、ソナタ形式。
    ソナタ形式であるが、再現部をニ長調ではなくハ長調で始めており、提示部の単純な反復になることを避けている。軽快さやアクセントの強調などもあるが、どちらかといえば歌う要素を前面に出した楽章である。
    再現部はこれまで見られなかった32分音符の音階風の急速な動きが目立つ。
  • 第2楽章 アンダンテ・コン・モート
    ト長調、2分の2拍子(アラ・ブレーヴェ)、二部形式風。
    この楽章は二部形式的な形を採り、走区的なものでクライマックスを作ったりもしている。
  • 第3楽章 メヌエット:アレグレット - トリオ
    ニ長調 - 変ロ長調、4分の3拍子、複合三部形式。
    きわめて規模の小さいメヌエットである。しかし、力性の扱いやスタッカートの使用などから見るとスケルツォに近い。
  • 第4楽章 プレスト
    ニ長調、4分の2拍子、ソナタ形式風。
    どこかハイドン的なものがみられる。

外部リンク

  • 弦楽四重奏曲第7番 ニ長調 D 94の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト

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