乾燥ライム(かんそうライム)あるいは干しレモン、干しライムは、柑橘類のライムを天日で乾燥させたドライフルーツ。国や地域によりヌーミー・バスラ、リームー・オマーニーと呼び、中東ではありふれた食材であり、1個丸ごと、またはスライスし、粉末にして香辛料として使用される。また混合スパイスのバハラット(Bahārāt、アラビア語: بَهَارَات)は中東からトルコ、ギリシャに広がり、鶏や羊、牛や魚の味を整えたり、調味料として料理に添えたりする。
イラクではバスラレモンという意味のヌーミー・バスラ(noomi basra)、イランではオマーンライムを意味するリームー・オマーニー(limoo amani)、オマーンではリームー(limoo)と呼ばれる。英語圏でブラックレモン(黒レモン)と呼ぶが、原料はレモンではなくライムである。
利用
乾燥ライムはアラビア料理(en)やイラン料理(ペルシア料理)の伝統的な食材であり、料理に酸味を加える香辛料として使用される。イラン料理ではシチューやスープに入れる。ペルシャ湾地域では魚料理に使用され、イラクでは米料理や詰め物料理に粉にひいて加える。
イラクでは煮だしてホットレモンとする。ハームズ(酸っぱい)と呼ばれ、レモン味と苦みが冬に良い。
味わい
乾燥ライムは強い風味を放つ。柑橘類特有の酸味、素朴でいぶしたような香りもあり、新鮮なライムが持つ甘さには欠ける。外皮と種子に苦みがあり、発酵物のような風味を持つ。
脚注
参考文献
- 酒井啓子「第1章 東アラブ -乳と蜜の流れる大地の食彩- 2 イラク」『アラブ』 10巻、農山漁村文化協会、東京〈世界の食文化〉、2007年、91頁。ISBN 9784540060038。
関連項目
- ドライフルーツ
- メキシカンライム - 原料
関連文献
- 出版年順
- Wright, Clifford A. A Mediterranean fest. New York : Morrow ; London : Hi Marketing, 1999. English. ISBN 0688153054, ISBN 9780688153052. OCLC 42579601.
- レザ・ラハバ、長谷川朝子『 家庭で楽しむペルシャ料理 フルーツ、ハーブ、野菜たっぷり』、河出書房新社、2009年。ISBN 978-4-309-28177-3。
外部リンク
- Spice Pages: Lime(英語)
- Black Lemons(英語)




