アルピーヌ・A521 (Alpine A521) は、アルピーヌが2021年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーである。

概要

2020年まではルノーF1チームとして参戦してきたが、ルノーがスポーツカーブランドを再生したいと意思表示をした為、2021年からはルノーの傘下自動車メーカーのアルピーヌが名を冠してアルピーヌF1チームへ改名して参戦する。

マシン名は、1975年にルノーエンジンをテストするために開発されたレーシングカー、アルピーヌ・A500にちなんでアルピーヌ・A521と名付けられた(A521の21は2021年を表す)。マシンのカラーリングは、ルノーのイエローから、アルピーヌ車伝統のブルーへと大きく変更された。

ドライバーは昨年から在籍しているエステバン・オコンと3年振りにF1に復帰するフェルナンド・アロンソを迎え、アロンソにとっては2005年と2006年に2年連続でワールドチャンピオンを獲得した古巣への帰還であり、このチームへの加入は3度目となる。

2021年シーズン

ドライバーはエステバン・オコンと3年振りにF1に復帰したフェルナンド・アロンソで新たなシーズンを迎える。

バーレーンで行われたプレシーズンテストではマシンの調子が良く、信頼性も高く十分に表彰台も狙えるだろうと言われていた。3年振りに復帰したアロンソも「2年間、F1を離れていたから学び直すところと、もう一度慣れるべきことめいくつかあるが、F1を離れていた2年間も毎週のようにレースをしていたから、大丈夫だと思う。」とコメントした。

開幕戦のバーレーングランプリでは、アロンソがリタイアでオコンが13位とどちらもノーポイントでレースを終えたが、第2戦のエミリア・ロマーニャグランプリと第3戦のポルトガルグランプリではダブル入賞を獲得。その後の第4戦のスペイングランプリから第9戦のオーストリアグランプリまではチームメイトのどちらかがポイントを獲得してレースを終えており、コンストラクターズランキングの中団争いを繰り広げていた。第10戦のイギリスグランプリでは再びダブル入賞を獲得。そして第11戦のハンガリーグランプリでは、後ろから追ってくるハミルトンをブロックしたアロンソのサポートもあり、オコンが彼自身のキャリア初優勝を獲得し、アロンソは4位入賞した。ルノーのワークスが優勝を飾ったのは2008年日本GP以来となった。

スペック

シャシー

  • 名称: アルピーヌ A521
  • シャシー構成: アルピーヌF1チーム カーボンファイバー&アルミニウム・ハニカムコンポジットモノコック、ルノー・E-Tech 20B パワーユニット搭載(ストレスメンバー)
  • サスペンション
    • フロント: カーボンファイバー製ウイッシュボーン/プッシュロード式インボードロッカートーションバー(トップ&ボトム・ウィッシュボーン)
    • リア: カーボンファイバー製上下ウイッシュボーン/プルロッド式トーションバー&横置きダンパーユニット
  • ホイール: O・Z マグネシウム製
  • トランスミッション: セミオートマチック・シーケンシャル電子制御(クイックシフト) 8速+リバース1速 カーボンファイバー製メインケース
  • 燃料システム: ケブラー強化ラバー燃料タンク ATL製
  • エレクトロニクス: MES-マイクロソフト スタンダードECU
  • ブレーキシステム: ブレンボ カーボンディスク、パッド、キャリパー、マスターシリンダー
  • タイヤ: ピレリ
  • コクピット: カーボンコンポジット製着脱式シート/6点式シートベルト/パドルシフト、クラッチパドル、およびDRS付きステアリング

パワーユニット

エンジン

  • 名称: ルノー E-Tech 20B
  • 排気量: 1,600cc
  • 最高回転数: 15,000rpm(レギュレーションで規定)
  • ターボチャージャー:シングルターボ、ブースト圧無制限(5bar)
  • 最大燃料流量:100kg/h
  • 最大燃料容量:110kg
  • バンク角: 90度
  • 気筒数: V型6気筒
  • ボア: 80mm
  • ストローク: 53mm
  • クランクの高さ: 90mm
  • バルブ数: 24(1気筒あたり4バルブ)
  • 燃料噴射: 直接噴射

エネルギーリカバリーシステム(ERS)

  • MGU-K
    • 最高回転数: 50,000rpm
    • 最大出力: 120kW
    • 最大エネルギー回生量: 2MJ(1周あたり)
    • 最大エネルギー放出量: 4MJ(1周あたり)
  • MGU-H
    • 回転数: 100,000rpm以上
    • エネルギー回生量: 無制限

パワーユニット概要

  • 重量: 150kg(FIA既定の最低重量)
  • コンポーネント: 3基 - 内燃機関(エンジン,ICE)/ターボチャージャー(TC)/MGU-H/MGU-K、2基 - エナジーストア(ES)/コントロールエレクトロニクス(CE)
  • パワー: 950hp以上

記録

脚注

注釈

出典


Alpine A521 F1 Car

Alpine A521 2021 Spark Model 143 S7665 Modellini F1 Diecast

Alpine A521 Page 37

動画】 アルピーヌF1、2021年F1マシン『A521』のエンジンを初始動」俺のカムリのブログ | 俺のカムリ70 みんカラ

【初参戦】アルピーヌF1、新型「A521」公開 英仏の象徴的カラーリング アロンソも復帰 AUTOCAR JAPAN