ZW10(Zeste White 10)は、ヒトではZW10遺伝子にコードされるタンパク質である。ZW10は、細胞分裂時の適切な染色体分離を保証する機構に関与する多くの因子のうちの1つである。ZW10は細胞分裂の前期、中期、後期の序盤の間セントロメアに結合しており、前期にはキネトコアの微小管にも結合している。
機能
ZW10はまず染色体分離に関与する有糸分裂チェックポイントタンパク質として同定され、その後、細胞質のダイニンとダイナクチンの有糸分裂期キネトコアへの標的化に関与していることが示唆された。非分裂細胞でも重要であり、細胞質のダイニンをゴルジ体やその他の膜へ標的化する過程や、SNAREを介した小胞体-ゴルジ体間輸送に関与している。ドミナントネガティブ型のZW10や抗ZW10抗体、ZW10に対するRNAiによる処理はゴルジ体の分散を引き起こす。ZW10に対するRNAiはエンドソームとリソソームの分散も引き起こす。
ショウジョウバエでは、キネトコアの構成要素であるRod(Rough deal)とZw10は中期チェックポイント(metaphase checkpoint)の適切な機能に必要である。真核生物の紡錘体チェックポイント(SAC)は微小管のキネトコアへの接着を監視し、全てのキネトコアが中期板(metaphase plate)に整列するまで後期の開始を防いでいる。この機構は有糸分裂時の染色体分離の正確性を保証する必要不可欠な監視機構である。高等真核生物では、細胞質のダイニンは整列したキネトコアからチェックポイントタンパク質Mad2やRod-Zw10-Zwilch(RZZ)複合体を除去することで、SACのサイレンシングに関与している。
相互作用
ZW10はRINT1と相互作用することが示されている。
出典
関連文献

![WZ10 [hires pictures]](https://www.blueskyrotor.com/blog/wp-content/uploads/2013/02/WZ10-02.jpg)


